
【インタビュー】Helpfeel株式会社|ZUNDAと歩んだ、組織成長を加速させるコーポレートIT基盤の再構築
シリーズEの資金調達を実施し、従業員数約230名、毎月約10名の新入社員を迎えるなど、急成長を遂げている株式会社Helpfeel。「テクノロジーの発明により、人の可能性を拡張する」というビジョンのもと、独自の意図予測検索を搭載したFAQシステム『Helpfeel(ヘルプフィール)』を中心に、情報の検索と活用を加速させるAIナレッジプラットフォームを展開しています。急成長を遂げる同社ですが、その裏側では「コーポレートIT基盤の急速な構築」という課題に直面していました。
専任担当者の不在、CTOによる休日返上のキッティング作業など、厳しい状況をいかにして打破し、最新鋭の業務IT環境を構築できたのか、事例としてご紹介します。
今回は、株式会社Helpfeel の以下の2名にインタビューを行いました。
秋山 博紀 氏: 執行役員 CTO。IT環境の混乱期に実務を巻き取り、基盤再構築を主導。
埴生 夢子 氏:開発部 イネーブルメントグループ コーポレートITチーム。
1.ZUNDAに問い合わせた背景とその当時の状況:CTOの「土曜日出勤」とIT環境の危機

――小林(ZUNDA): まず、ZUNDAにお問い合わせいただいた2025年1月当時の状況を振り返っていただけますか。
秋山氏(Helpfeel): 今思うと、2024年末まで、IT環境の整備が追いついていない状態でした。前任者が急遽退職し、専任者はゼロ。100名を超える規模の組織で、わたしがCTOとしてキッティングや配送などの実務を抱え込んでしまっていたんです。
――遠藤(ZUNDA): かなりハードな状況だったとお聞きしています。
秋山氏(Helpfeel): 平日は会議で埋まってしまうので、土曜日にオフィスに出社していました。隣の会議室ではビジネスサイドのメンバーたちが販売戦略を議論しているのに、わたしは一人でパソコンにテプラを貼ったり、キッティングをしたり……。「CTOとして、ここに時間を使っていてはまずい…」と役割とのズレを感じていました。
本来は、個々の課題に対応するだけでなく、今後の成長に合わせて、情報システム部門も何段階か上のレベルに引き上げられるような体制を構築することが、わたしのやるべきことだと思っていました。
一部の業務をアウトソースしていましたが、当社の状況に合わないアドバイスが多く、直面している課題が、会社の業種や規模によって違うのに...と思ってしまうことがありました。そこで、もともと繋がりのあったZUNDA代表の澤田さんに相談をしました。
――小林(ZUNDA): ZUNDAとの最初の打ち合わせでの印象はいかがでしたか?
秋山氏(Helpfeel): すぐに大きな船に乗っかった気持ちになりましたね。特定のSaaSややり方を押し付けるのではなく、こちらの課題をヒアリングした上で優先順位を交通整理してくれました。この船に乗っていれば、目的地にきっと着けるという確信が得られました。
2. ZUNDA LCM(資産管理)導入の効果と改善点:マインドシェアを1/10に

――小林(ZUNDA):支援はまず、秋山氏の負担軽減を最初の目標として ZUNDA LCM の導入からスタートしました。
秋山氏(Helpfeel):LCMから導入していくことは、ZUNDAさんからの提案ということもありましたが、キッティングや配送の負荷が緊急の課題だったので、LCMを優先することに決めました。
――小林(ZUNDA): それだけ緊急度が高かったということは、他社のLCMサービスも検討されていたと思います。ZUNDAに決めていただいた理由はなんでしょうか??
秋山氏(Helpfeel): はい、他社サービスをいくつか検討したものの、「わたしたちの状況に合わせてチューニングできるのか」という点で、ZUNDA LCM を選ばせていただきました。
当初はキッティングすらまともに回っておらず、なにをどうキッティングすべきかが属人的で、明確な手順が定まっていないような状況でしたが、ZUNDAさんと「なにがしたいか?」「なにを自動化できるか?」を整理して、わたしたちに合わせたキッティングメニューを段階的に一緒に構築することができました。
ZUNDA LCM を選んで良かったと思います。

――小林(ZUNDA):LCMの導入効果はいかがでしょうか。
秋山氏(Helpfeel): 業務端末はクリティカルじゃないですか?パソコンが無ければ仕事はできない、セキュリティも保たなければならない、そうした焦りや不安の「マインドシェア」を極端に減らせたことが本当によかった。そして、もう土曜日に出社する必要はありません(笑)。
埴生氏(Helpfeel): 実務面では、特に「廃棄作業」が劇的に変わりました。以前は、PCの廃棄は、廃棄物処理業者への連絡や発送対応、消去証明書発行の確認、産業廃棄物管理票の取得などを実施していました。今は管理番号を伝えるだけで査定から処分まで完結します。工数は以前の「1/10」になりました。
秋山氏(Helpfeel): 驚いたのは、ZUNDAさんから「御社のPC故障率は客観的に見て高い」というフィードバックをいただいたことです。たくさんの企業のPCを見ているZUNDAさんの視点があったからこそだと思います。特定のメーカーに縛られない最適なPC選定も可能になりました。
3. Okta導入の効果と期待:自動化を推し進めた先にやってきた「リープフロッグ現象」

――小林(ZUNDA): ID管理(IdP)を OneLogin から Okta へ移行した背景についても教えてください。
秋山氏(Helpfeel): OneLogin を使いこなせていなかったこともあったと思いますが、将来のM&Aや組織変更を見据えた際、あらゆるIDの「ハブ」になれる拡張性を考え、Okta への切り替えを決めました。
――小林(ZUNDA):移行にあたって苦労した点などはありますか?
秋山氏(Helpfeel):Okta への移行で最も避けたかったのはやはり業務停止です。過去に業務に支障が出てしまった経験から、トリッキーな設定や積み残しが多い環境下でのIdPの移行作業は不安がつきまといます。ZUNDAさんの導入支援によって、わたしたちのような未経験者だけでは難しかったであろう移行を「事故なくやり切る」ことができました。
――小林(ZUNDA):支援した遠藤は、他のIdPから Okta へ移行するお客様を担当することが多かったため、移行プロセスについて熟知しています。
――遠藤(ZUNDA):このほか、企業のドメイン変更に伴うIdP側の各種設定変更など、これまでにZUNDAが経験して蓄えてきた知見を還元できてうれしく思います。やってみなければわからない、ハマってしまうポイントがあるんですよね。
秋山氏(Helpfeel):ZUNDAさんが持つ「生々しい経験」にもとづいたアドバイスが心強かったです。
――小林(ZUNDA):導入後、実際に運用で大変だった点などはありますか?
秋山氏(Helpfeel):Google Workspace からの切り替えが最も大変だったのはもちろんですが、YESOD(ID・資産統合管理ソリューション)との連携では多数のステークホルダーとの調整に苦労しました。SSOの設定自体はできても、プロビジョニング(サービスやシステムにアカウントを事前に作成しておく機能)などが関わると、人事フローと各SaaSの権限設計を横断的に整理する必要がありました。その全体設計と関係者調整を、自社だけで担うのは現実的ではなく、ZUNDAさんの支援が不可欠だったと思います。
――小林(ZUNDA):Okta の運用も安定してきたと思いますが、気に入っている機能などありますか?
秋山氏(Helpfeel):SaaSによってメールアドレスの登録状況が異なる場合に、フィールドのアサインメントを柔軟に設定できるプロファイルマッピングの機能が非常に気に入っています。
埴生氏(Helpfeel):アプリケーションのSSO(シングルサインオン)の設定がシンプルで簡単なので、SSOできるサービスの拡充が進み、パスワード忘れなどの問い合わせがほぼなくなりました。また、YESOD の人事マスタと Okta の連携によって、アカウントの削除漏れなどを防げる点が良いと感じています。

――遠藤(ZUNDA):まさに「HRドリブンプロビジョニング」ですね。今回支援させていただいて、YESOD と Okta の連携が優れていると、ZUNDAとしても学びになりました。
秋山氏(Helpfeel): ディレクトリサービスすらなかった状態から、一気に「YESOD × Okta」の理想形へ到達できた。これはまさに、段階をすっ飛ばして進化する「リープフロッグ現象」そのものですよね。
4. ZUNDAの支援体制と社内の体制整備:採用方針すら変えた「伴走型」の威力

――小林(ZUNDA): ご支援開始当初は秋山様お一人で対応していましたが、プロジェクトの進行に合わせて、人員の確保やチームビルドが進められ、社内体制が整ってきた印象です。
秋山氏(Helpfeel): もともと大きな方針としては、アウトソースできるところはアウトソースして、自動化できるところは自動化で進めていくと決めていました。当時は、それらがなかなか進められていない状態だったのですが、ZUNDAさんの支援開始のタイミングでコーポレートエンジニア1人が、定型業務を担う形で参加しました。彼は社内システムのエンジニアですので、自動化を担当しています。先ほどお話した人事マスタと Okta との連携もそうですが、たくさんの業務改善に貢献してくれています。その後、10月には埴生が入社し、メンテナンスや運用を彼女が担当し、プロジェクト単位の推進はZUNDAさんに見てもらう体制に変更しました。
――小林(ZUNDA): 情シス部門の採用やチームビルドは想像以上に大変だとたくさんのお客様からお聞きしています。
秋山氏(Helpfeel): 実は、ZUNDAさんが中長期的な動きを担ってくれると確信できたので、採用方針を変えました。当初は「情シス部長」を探していたのですが。ZUDNAさんに採用基準についても相談していましたが、そういった部長クラスの人材の採用はかなり難しいという話がありました。そこで中長期的な戦略はZUNDAの支援を受けながら、社内には「実務を推進できる担当」がいると良いと考え直したんです。そこで入社したのが埴生でした。
埴生氏(Helpfeel): 私は前職で約2年間、情シス業務を担当していました。 入社から半年ほどで社内の情シス業務を一通り引き継ぎましたが、社内に他のIT人材はおらず、セキュリティ対策や業務の自動化についても、自分で方針を考え、運用を決める必要がありました。
独学で学び続ける中で、次第に思考や判断の幅に限界を感じるようになり、より実践的に学べる環境を求めて転職を考えるようになりました。
Helpfeelの話を聞いた当初は、2社目ということもあり、まだ経験不足ではないかという不安もありましたが、「意欲を重視する」という姿勢や、秋山がいたことが後押しとなり、入社を決めました。
――遠藤(ZUNDA): 埴生さんは常に自社での検証結果や仮説を持って相談してくださるので、ZUNDAとのプロジェクトでも非常に連携がスムーズでした。きっと、ご自身で考え、答えを出すという社会人にとっても情シスにとっても一番必要なものを持っていらっしゃると思います。
秋山氏(Helpfeel): 今や彼女は「情シス部長」のような働きをしてくれています。判断に迷う部分はZUNDAに相談し、実務は自社で回す。「アウトソースできるものはアウトソースし、自動化できるものは自動化する。」という方針が、ZUNDAさんとのハイブリッド体制によってついに実現したんです。
5. 結びに:今後の展望とZUNDAへの信頼

――小林(ZUNDA): 今後の目標や展望をお聞かせください。
秋山氏(Helpfeel): 今後は Okta を利用した、さらなる自動化を目指しています。シリーズEを経て組織がさらに拡大していきます。M&Aや組織統合が起きても、ZUNDAさんとOkta で作り上げた基盤があれば加速を止めずに進んでいけると確信しています。
――遠藤(ZUNDA): ありがとうございます。会社統合などの大きなイベントこそ、わたしたちが最も活きる場面です。
秋山氏(Helpfeel): ZUNDAさんは単なる「外部ベンダー」や「コンサルティング」ではありません。「片足をHelpfeelのオフィスに置いている」ような、同じ目線で課題に向き合ってくれるパートナーです。これからも、この「大船」に乗って、事業の成長をさらに加速させていきたいですね。